ISO 20816 に基づく機械状態監視システム
概要
本システムは、ISO 20816に準拠した、振動による機械状態監視を実現するアプリケーションです。Raspberry Piを⽤いた振動計測システムと連携し、加速度∕振動センサーで取得したデータを統計処理‧時系列分析することで、回転機器の健全性を可視化します。

ISO 20816 とは?
ISO 20816 は振動を用いて機械状態監視の方法を定めた規格です。対象機器の振動を定期的に計測し、振動の大きさやその変化量、変化の速さを監視することが推奨されます。監視対象値が、予め設定した閾値を超過した場合には、対象装置の緊急停止や保守作業を行う必要があります。
身近な装置の例では、洗濯機を長年使用していると、新品の頃と比べてだんだん音が大きくなる場合があります。これは長年の使用によってミスアライメントなどの異常が発生し、振動が大きくなったと考えられます。その場合、修理に出したり新しい洗濯機を購入したりすると思います。生産設備の回転機器なども同様に、振動の大きさを監視することが異常を発見する手がかりになります。
振動の大きさだけでなく、変化の監視も重要です。装置の運動状態が同じであれば、振動の大きさは常に同程度であるべきです。もし大きさが正常値の範囲内に入っていたとしても、以前と比較して急激に変化した場合には何か原因があると考え、注意深く監視する必要があります。
本システムは、Raspberry Pi とエプソンの加速度/振動センサーを用いて、ISO 20816 に準拠した状態監視を可能にします。
本システムの特長
Raspberry Pi により定期的に振動を計測し、モニタリング対象値(RMS)を自動計算し、閾値判定を行います。予め設定した閾値を超過したかどうかで保守作業のタイミングを知ることができます。
- 省電力・小型:Raspberry Pi とデジタル出力センサーを用いることで工場内でもコンパクトな計測環境を構築できます。
- 自動集計・判定:定期計測の結果から振動の大きさ(RMS)と変化量を自動で集計し、閾値に基づいて状態を判定します。
- カスタマイズ性:集計プログラム(Python)をカスタマイズすることで、特定の周波数帯域のみの監視や、RMS以外の指標の監視など、お客様の環境に合った状態監視を実現できます。
- 複数軸対応:1台のセンサーにつき3軸(X, Y, Z)の振動と3軸合成値を得られるので、多角的なモニタリングができます。
- 複数箇所の同時モニタリング:複数台のセンサーを使用することで、同時に複数の装置・場所を監視できます。
- Webブラウザでの監視:集計結果や警告情報をWebブラウザから監視できます。
モニタリングできること
状態監視では、機器から発生する振動の大きさ、その変化量、変化の速さを知る事が重要です。
本システムでは、振動の大きさの変化を表すトレンドグラフと、変化量を表す変化量グラフを1つのブラウザ画面で確認することができます。
Webモニタリング画面 ~トレンドグラフ~

センサー各軸および3軸合成の振動の大きさ(RMS)の変化をグラフで確認できます。
グラフには正常時の値(ベースライン値)と閾値(アラーム値・トリップ値)を重ねて表示できるため、計測値が閾値を超過した場合、グラフから一目でわかります。
ベースライン値・アラーム値・トリップ値は装置・環境に合わせて設定できます。
※ 上図の画像はZ軸のみを表示した場合のイメージです。表示値は実際のものとは異なります。
Webモニタリング画面 ~変化量グラフ~

振動の絶対的な大きさだけでなく変化量をモニタリングすることも、異常の早期発見には重要です。
本システムでは振動の大きさの変化を今回値と前回値の差分として求め、変化量グラフに示します。さらに、グラフの傾きから、変化の速さがわかります。
グラフには閾値(アラーム値・トリップ値)を重ねて表示できるため、計測値が閾値を超過した場合、グラフから一目でわかります。ベースライン値・アラーム値・トリップ値は装置・環境に合わせて設定できます。
センサー各軸および3軸合成値のいずれもグラフを表示できます。
※ 上図の画像はZ軸のみを表示した場合のイメージです。表示値は実際のものとは異なります。
システム構成
本システムは大きく分けて以下の3つからなります。
- 振動計測システム
- ISO 20816 に基づく状態監視システム
- モニタリングアプリ

構成要素
振動計測システム
振動センサー/加速度センサーを用いて対象機器の振動を計測し、CSVファイルを出力します。計測タイミングや計測時間は自由に設定できます。
「Raspberry Pi社製品を利用した振動計測システムとモニタリングアプリ」に掲載している、計測用サンプルコードを使用します。
ISO 20816 に基づく状態監視システム
計測アプリの出力ファイル(CSV)を読み込み、RMSを計算します。このプログラムをカスタマイズすることで、特定の周波数帯域のみの監視や、RMS以外の指標の取得など、お客様の環境に合わせた状態監視ができます。
本ページに掲載されているソースコードを使用します。
モニタリングアプリ
集計結果や警告情報をMQTTメッセージとして送信し、Webブラウザからの監視を可能にします。
「Raspberry Pi社製品を利用した振動計測システムとモニタリングアプリ」に掲載している、計測用サンプルコードを使用します。
ドキュメント
| ドキュメント | 説明 |
|---|---|
| ISO 20816 に基づく機械状態監視システム ユーザーズガイド(PDF, 1.5MB) | 本システムを構築・活用するためのガイドです。 |
プログラム
| ソースコード | 説明 |
|---|---|
| ISO 20816 に基づく機械状態監視システム ソースコード(ZIP, 58KB) | 本システムを構築・活用するためのガイドです。 |



