マシンヘルスモニタリングにおけるセンシングソリューション
Case1 工場内の振動影響を把握したい
精密部品を製造する工場やクリーンルームの装置では、空調設備や周辺機器の振動が製品品質に影響を与えることがあります。このような微小な振動影響を把握するには、高精度のセンサーが必要です。
低ノイズ・低消費電力のエプソンの水晶加速度センサーは、工場内の振動計測に適しています。また、精密機器の振動評価に用いられるVC判定を行うシステム構成例やサンプルコードも提供しています。
VC判定とは
精密機器を導入するには、設置場所の振動を評価し、機器が正常に稼働できる環境かを評価する必要があります。環境振動の評価方法として一般的にVC判定が用いられます。精密機器の振動に対する許容基準はVCレベルとして示され、機器の設置環境はその基準を下回るように振動を抑える必要があります。
エプソンの加速度センサーを使って環境振動のVCレベルを判定し、工場内の振動影響把握や振動低減対策を実施できます。
さらに、エプソンの加速度センサーは自己ノイズがGレベルを下回るため(下図参照)、最も厳しい環境評価にも対応可能です。
トリパタイトグラフ
VCレベルは加速度センサーの計測データから計算・出力できます。計測した振動データから実効速度の1/3オクターブバンドを計算し、VCレベルを判定します。計算結果は下図のようにトリパタイトグラフとして表示できます。下図であれば振動ピークがVC-B以上、VC-A未満に位置しており、このときVCレベルAと判定します。
VCレベルと対象機器の目安
精密機器を使用する際には、機器周辺の環境の振動を許容振動基準以下に抑える必要があります。許容振動基準(VCレベル)は機器によって異なります。下表に機器ごとの許容振動基準の目安を示します。
※あくまでも目安です。詳細はご使用の機器を確認してください。
| VCレベル | 対象機器 |
|---|---|
| A | 近接投影アライナー、光学顕微鏡(400倍) |
| B | ステッパー(線幅3µm)、光学顕微鏡(1000倍) |
| C | ステッパー(線幅1µm)、画像検査装置(1000倍以上) |
| D | ステッパー(線幅1µm以下)、SEM(走査電子顕微鏡)、TEM(透過電子顕微鏡) |
| E | 半導体露光装置(nmレベル)、レーザー干渉計 |
| F | 極めて静かな研究スペース クリーンルームでは実現が難しい |
| G |
推奨製品
エプソンの水晶加速度センサーは、低パワーかつデジタル出力により、シンプルかつ小型の計測システムを構築できます。
エプソン水晶加速度センサーの特長
- 小型で設置が容易
- 低消費電力で電源確保が容易
- 自己ノイズが低く、VC-Gレベルの判定にも対応
データシートをご希望の方、製品を購入・検討したい方はフォームからお問い合わせください。
計測用ツール・構成例
お持ちのPCで簡単にセンサーを評価したいお客様
Raspberry Pi を用いた計測・遠隔監視システムを構築したいお客様
VC判定 振動計測・遠隔監視システムを構築したいお客様
活用事例
リファレンス情報 を基に、Raspberry Pi とパトランプを用いてクリーンルーム内の振動計測・監視を行った事例があります。
その他

手のひらサイズのセンサーで簡単に床振動を計測できるスマート振動センサー M-A750FB もございます。
Case2 装置の状態監視をしたい
生産現場において、設備の故障や停止は大きな損失に繋がります。これを防ぐには日常的な診断で装置の異常を早期発見する予知保全が重要です。設備診断の一つの方法として、振動のモニタリングが挙げられます。
エプソンの高精度センサーは微小な振動変化を捉えられるので、回転機器や直動装置の異常を早期発見でき、品質安定化や生産性向上に貢献します。
推奨製品
エプソンのセンシングデバイスは、低パワーかつ3軸デジタル出力により、シンプルかつ小型の計測システムを構築できるので、工場内や装置内部の限られたスペースでの常時計測に適しています。
エプソンのセンシングデバイスの特長
- 小型で設置が容易
- 低消費電力で電源確保が容易
- 防水・防塵ユニット(M-A542, M-A552)
ISO20816(旧10816)準拠 振動センサー
機械振動の計測による状態監視の方法・診断基準に関する規格がISO20816(旧10816)で定められています。この規格に準拠した、速度/変位出力の振動センサーを用意しています。一般的な予知保全事例には以下の振動センサーがおすすめです。
加速度センサー
低速回転の大型機器の状態監視には、微小な低周波数領域の振動をキャッチできる高精度加速度センサーがおすすめです。
IMU(慣性計測ユニット)
加速度3軸に加えて角速度3軸を計測できるIMU(慣性計測ユニット)を状態監視に活用できる場合があります。
データシートをご希望の方、製品を購入・検討したい方はフォームからお問い合わせください。
計測用ツール・構成例
お持ちのPCで簡単にセンサーを評価したいお客様
Raspberry Pi を用いた計測・遠隔監視システムを構築したいお客様
その他、製品組み込みに活用できるリファレンス情報
IMU(慣性計測ユニット)を使いたい
お持ちのPCで簡単にセンサーを評価したいお客様
活用事例
振動解析技術
エプソンでは装置予知保全を目的とした独自の振動解析技術を開発・発表しています。主な技術は2つあります。いずれも水晶加速度センサーの高精度・3軸同期を活用しています。
- 深層学習による異常検知
大阪公立大学との共同研究によりAIを活用した異常検知手法 - 精密リサージュ解析
装置の振動を3次元で可視化し、装置の状態の分析・把握を可能にする解析技術
振動解析技術に関して知りたい方は以下をご覧ください。
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