OIF規格準拠、400G+小型光通信モジュールに最適な小型高精度発振器
2.0 x 1.6 mmサイズの更なる小型品をラインアップ
SG2016EGN / SG2016VGN, SG2016EHN / SG2016VHN
光通信モジュール用 小型高精度水晶発振器
従来からのデータトラフィック需要増のトレンドに加え、世界的なパンデミックによるリモート業務・学習の定着により、クラウド関連機器を含めたネットワークインフラの社会における重要度は、更に高まっています。
ネットワークインフラの敷設と拡充が進む中、機器メーカーではデータセンター内部、及びデータセンター間の通信に使用される光通信モジュール用に小型の水晶発振器のニーズが高まり、当社としてはSG2520シリーズを供給しております。
今後の主流となる400G、800G、あるいはそれ以上の光モジュールの高レート化に向け、従来品(SG2520シリーズ)の性能を維持しながら2016サイズ(2.0 x 1.6 mm)への更なる小型化を実現し、機器メーカーの設計自由度向上、機器の性能向上、それらを通じて社会発展に貢献します。
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光通信モジュールを実現する技術、それに対する課題
(1) PAM4
従来の光通信は、オン/オフの切り替えによるNRZ方式ですが、近年の通信速度の広帯域化に限界が発生します。
PAM4とは4値強度変調により、NRZの2倍の帯域に拡大可能とする技術です。

< 課題 >
信号レベルが1/3となるため、信号検出精度を確保するためには低ジッタ性能が必要となります。
市場では100 fs程度がクロックに対するジッタ閾値です。モジュール化により、小型・低消費電流も要求されます。
周波数許容偏差は、±50 x 10-6 です。
(2) 400ZR
400Gbpsの高速通信をコヒーレント光伝送にて行う技術です。
デジタルコヒーレント信号処理回路にて16QAMを行い、コヒーレント光を変復調することで伝送します。

< 課題 >
400Gの信号処理を行うため、信号処理回路のDAC/ADCに必要なサンプリングクロックには、300 MHz ~ 500 MHzの高周波・低ジッタクロックを必要とします。
また、周波数許容偏差は、±20 x 10-6 の高精度対応、更には低消費電流も必要とされます。
エプソンの小型高精度水晶発振器でそれらの課題を解決
従来比54 %(体積比)の小型化を実現した、高周波・低位相ジッタSPXO【SG2016シリーズ】
※当社従来品『SG2520』シリーズ
SG2016シリーズは、HFF水晶振動子とエプソンが独自開発したICを採用し、高周波・高精度、および低位相ジッタ特性を持ち合わせた、2.0 × 1.6 mm、高さ0.63 mm Typ.の小型高精度水晶発振器です。これらの特長を有することで、次世代800G光通信モジュールに対して最適な製品となります。
・PAM4: 低ジッタ特性、および小型・低消費電流特性を持つ、SG2016EGN/VGNが最適です。
・400ZR: ±20 x 10-6 の高精度、高周波・低ジッタ、低消費電流特性を持つ、SG2016EHN/VHNが最適です。
主な用途
- 光通信モジュール(ルーター、スイッチ等のネットワーク機器に内蔵)
- データセンター
- FA機器、計測器
- 高速DA / ADコンバータ

エプソンの小型高精度水晶発振器 SG2016シリーズの特長
1.小型サイズ 2.0 x 1.6 mm
当社従来品SG2520シリーズと比較し、外形サイズを小型にしました。
(面積比64 %、体積比54 %)

【動画:光通信400/800G向けSG2016シリーズの紹介】
2.独自技術により高周波出力と低位相ジッタを同時に実現
HFF水晶振動子を用いた基本波発振により、上限500 MHzの高周波出力に対応し、低位相ジッタ特性を実現しています。
HFF水晶振動子
フォトリソ加工により、水晶チップの励振部のみを数ミクロンという極薄な構造(逆メサ構造)にすることで、チップの強度を保ちながら、高周波での基本波発振を可能にしました。
低位相ジッタ/位相ノイズ特性
上記HFF水晶振動子と、当社独自開発のSPXO用ICを組み合わせることで、低位相ジッタ/低位相ノイズ特性を実現しました。
<位相ジッタ: 19 fs>
・LVDS出力、fo = 391.77 MHz
・オフセット周波数: 12 kHz~20 MHz
・電源電圧 3.3 V

3.温度補償機能により高温環境下でも高い周波数精度を保持
自社ICの周波数温度補償機能により+105 ℃ 高温下、且つ10年の長期エージングを含み、 ±20 × 10 -6の高精度を実現しました。

従来品からの向上点
従来品 (SG3225/5032/7050シリーズ) と新製品 (SG2016/2520シリーズ)では、下記3点で向上しています。
1. 外形サイズの小型化
2. 周波数精度の向上
3. 位相雑音と位相ジッタの低減
1 外形サイズの小型化

2 周波数精度の向上

3 位相雑音と位相ジッタの低減

従来品との仕様比較
Item | SG2016EGN / SG2016EHN SG2016VGN / SG2016VHN |
SG2520EGN / SG2520EHN SG2520VGN / SG2520VHN |
SG3225/5032/7050EEN SG3225/5032/7050VEN |
---|---|---|---|
Frequency | 25 MHz to 500 MHz | 25 MHz to 500 MHz | 25 MHz to 500 MHz |
Technology | Fundamental | Fundamental | Fundamental |
Size | 2.0 x 1.6 x 0.63t mm | 2.5 x 2.0 x 0.74t mm |
SG3225*EN: 3.2 x 2.5 x 1.05t mm SG5032*EN: 5.0 x 3.2 x 1.3t mm SG7050*EN: 7.0 x 5.0 x 1.5t mm |
Operating Temperature |
-40 ℃ to +105 ℃ | -40 ℃ to +105 ℃ | -40 ℃ to +105 ℃ |
Frequency Tolerance |
±20 x 10-6 (SG2016EHN / SG2016VHN) ±25 x 10-6,±50 x 10-6 (SG2016EGN / SG2016VGN) |
±20 x 10-6 (SG2520EHN / SG2520VHN) ±25 x 10-6,±50 x 10-6 (SG2520EGN / SG2520VGN) |
±50 x 10-6 (≦200 MHz) ±100 x 10-6 (> 200 MHz) |
Phase Jitter(3.3 V, 391.77 MHz, LVDS) | 19 fs Typ. / 50 fs Max. | 19 fs Typ. / 50 fs Max. | 37 fs Typ. / 60 fs Max. |
Current Consumption |
60 mA Max. (SG2016EGN / SG2016EHN) 28 mA Max. (SG2016VGN / SG2016VHN) |
60 mA Max. (SG2520EGN / SG2520EHN) 28 mA Max. (SG2520VGN / SG2520VHN) |
60 mA Max. (SG3225/5032/7050EEN) 25 mA Max. (SG3225/5032/7050VEN) |
Output | LV-PECL / LVDS | LV-PECL / LVDS | LV-PECL / LVDS |
SG2016シリーズの特長
・ 小型 (当社差動出力SPXOで最小)
・ 狭い周波数許容偏差 (SG2016EHN / SG2016VHNにて ±20 x 10-6)
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