ジャイロセンサーとは ~仕組みとトレンド~

ジャイロセンサーとは?

ジャイロセンサーは、別名角速度センサと呼ばれ、角速度を検出するデバイスです。

角速度について

角速度とは、簡単に説明すると、単位時間あたりの回転角のことを言います。
単位は、deg/s(degree per second)で表すのが一般的です。

ジャイロセンサーの種類

ジャイロセンサーは、1種類だけでなく、様々な種類があります。ここでは、ジャイロセンサーの種類をご紹介します。


小型・高精度の振動ジャイロセンサーが必要とされています。

近年の主な振動ジャイロセンサーの用途としては、ミラーレス・一眼レフカメラや自動車の横すべり防止などがあります。

今後は、自動車運転支援・安全性確保やロボットの動作制御など、さらにニーズの拡大が見込まれます。

振動ジャイロセンサーについて

振動ジャイロセンサーは、素子を振動させて素子に加わるコリオリの力から角速度を検出します。そのため、素子の素材や構造の違いにより、角速度の精度に大きく変化が現れます。ここでは、振動ジャイロセンサーの素子の種類を簡単にご紹介します。

振動ジャイロセンサーの素子の種類

高精度で小型なジャイロセンサーを実現するために、それぞれの素材と構造により
・感度
・温度特性
・小型化
・耐衝撃性
・安定性
・ノイズ特性
などの特長を各社工夫しております。


  材料 駆動(振動)原理と構造例
水晶振動ジャイロ

水晶

 材料物性が安定

圧電駆動

 材料のもつ圧電性を利用して駆動
Si-MEMS振動ジャイロ

シリコン(Si)

 供給が豊富で安価

静電駆動

 狭ギャップ間の静電気力を利用して駆動
水晶振動ジャイロ
材料 駆動(振動)原理と
構造例

水晶

材料物性が安定

圧電駆動

材料のもつ圧電性を利用して駆動


Si-MEMS振動ジャイロ
材料 駆動(振動)原理と
構造例

シリコン(Si)

供給が豊富で安価

静電駆動

狭ギャップ間の静電気力を利用して駆動

振動ジャイロセンサー 角速度検出の仕組み

振動ジャイロセンサーは、振動する物体に加わるコリオリの力から角速度を検出します。
ここでは、セイコーエプソンの水晶を素子とした、ダブルT型構造の検出を例にご説明します。

1.普段は、駆動アームが一定方向に振動しています。

2. 本体が回転します。

3. 回転運動が加わることで、駆動アームにコリオリの力が働き、垂直方向の振動が発生します。

4. 垂直方向の振動により固定部が屈曲し、検出アームが運動します。

5. 二つの検出アームの運動による電位差から角速度を検出し、電気信号として変換・出力します。

ジャイロセンサーの用途

ジャイロセンサーの用途は主に3つあります。

角速度の検出

どれだけ角速度が出ているかを検知します。

運動量そのものの計測へ繋がります。
例)スポーツの動作確認

角度の検出

自らの移動による角速度を検知し、CPUでの積分演算処理により角度の検出を行います。

移動した角度をアプリケーションへ反映することへ繋がります。
例)カーナビゲーションシステム
ゲームコントローラ
スマートフォン

制振メカニズム用途

外的要因による振動を検知し、CPUへ電気信号として発信します。

正しい状態(姿勢)へ補正をすることへ繋がります。
例)カメラの手ブレ補正機能
車体制御

アプリケーション例

  • スマートフォン
    スマートフォン モーションセンシング

    モーションセンシング

  • ロボット姿勢制御
    ロボット姿勢制御 姿勢制御

    姿勢制御

  • 自動運転ロケーター
    自動運転ロケーター 手ぶれ補正機能

    手ぶれ補正機能

  • カーナビゲーション
    カーナビゲーション デッドレコニング

    デッドレコニング

  • スポーツ用センサ
    スポーツ用センサ モーションセンシング

    モーションセンシング

  • 無人輸送機
    無人輸送機 モーションセンシング

    モーションセンシング

  • ドローン
    ドローン 姿勢制御

    姿勢制御

  • ミラーレスカメラ
    ミラーレスカメラ 手ぶれ補正機能

    手ぶれ補正機能