エプソンのジャイロセンサーの特長

ここでは、ジャイロセンサーのチェックポイントに書かれた、高安定を見極めるポイントごとに、エプソンのジャイロセンサーの特性をお話します。
精度が良いジャイロセンサーとは、安定性が高いジャイロセンサーであるということです。

  • 1. ノイズレベルが低いこと
  • 2. 温度変化に対する安定度
    •  2-1. 0点温度特性が安定していること
    •  2-2. 感度温度特性が安定していること
  • 3. 振動や衝撃などによる影響が少ない
    •  3-1. 角速度以外の他の振動に影響されにくい
    •  3-2. 衝撃に強い

1. ノイズレベル

当社代表製品のノイズ密度を測定したデータです。 ダブルT型の構造としたことで、お客様使用帯域内で、0.005(°・s-1)/√Hzの低ノイズを実現しております。

2. 温度変化に対する安定度

2-1. 0点温度特性が安定していること

当社代表製品の出力(0点)変化量の温度特性を測定したデータです。水晶材料の良さをダブルT構造によってさらに引き出すことで、優れた0点安定性を実現しております。

2-2. 感度温度特性が安定していること

当社代表製品の感度誤差の温度特性を測定したデータです。 水晶の優れた結晶面で駆動系と検出系を構成できるため、優れた感度安定性を実現しております。

3. 振動や衝撃などによる影響が少ない

3-1. 角速度以外の他の振動に影響されにくい

当社代表製品に20~2000Hzの周波数の振動(X,Y,Z方向)を加えた時の出力(0点)変化量のデータです。 外部振動に対する優れた安定性を実現しております。

3-2. 衝撃に強い

当社代表製品に100G相当の衝撃(X,Y,Z方向)を加えたときの出力(0点)変化量のデータです。

水晶素子の構造上の工夫により、外部からの衝撃に対する優れた安定性を実現しております。

エプソンのジャイロセンサーは、水晶を素材にしたダブルT型構造の素子と、独自のPKG技術などの工夫で、以上の5つの高安定のポイントを実現しました。
これにより、お客様のアプリケーションの特性向上に貢献するとともに、一般的なジャイロセンサーに比べて、システムでのキャリブレーションの回数を減らすことができます。

エプソンのジャイロセンサーは水晶を素材にしたダブルT型構造の振動ジャイロセンサーです。

  材料 駆動(振動)原理と構造例
水晶振動ジャイロ

水晶

 材料物性が安定

圧電駆動

 材料のもつ圧電性を利用して駆動
Si-MEMS振動ジャイロ

シリコン(Si)

 供給が豊富で安価

静電駆動

 狭ギャップ間の静電気力を利用して駆動
水晶振動ジャイロ
材料 駆動(振動)原理と
構造例

水晶

材料物性が安定

圧電駆動

材料のもつ圧電性を利用して駆動


Si-MEMS振動ジャイロ
材料 駆動(振動)原理と
構造例

シリコン(Si)

供給が豊富で安価

静電駆動

狭ギャップ間の静電気力を利用して駆動

単結晶の水晶を素材にしたことで、

・Q値が高く安定した振動が得られるため、高感度が得られる。
・材料が安定なため、経時変化が小さい。
・材料が均一なため、加工再現性に優れ、フォトリソ加工時の精度が良好。
・ヤング率が温度変化に対して安定なため、温度変化の小さい振動系が実現可能。


ダブルT型の構造としたことで、

・コリオリの力を無駄なく利用できるため、高感度が得られる。
・水晶の優れた結晶面で構成できるため、温度特性が良い。
・駆動系と検出系を分離できるため、モレ振動が小さく高SNが実現可能。
・対称性が良いため、振動、衝撃に強い。


この素材と構造により、エプソンのジャイロセンサーは、上記の高安定の5つのポイントで優れた特性を持ちます。